EMとは「有用微生物群」のことで、さまざまな汚れをきれいにして、腐敗菌を抑える働きを持っています。
水質浄化の過程で、EM菌は、ヘドロの中のアンモニアやメタンなどの有害物質をエサとして体内に取り込み、アミノ酸や糖類などの有用物質に変えて、体外に放出します。EM菌によるヘドロの分解が進むと、植物性プランクトンが増え、魚介類も増えるので食物連鎖がよみがえり、生態系が豊かになります。
有用微生物を用いる環境浄化は、微生物をいかにその場に定着させ、活発に活動させるかがポイントです。EM活性液(微生物混合液)の連続投入と、EM団子(微生物担持体)の投入により、投入する微生物の量が多いほど改善が早まる傾向にあります。
「有機物の発酵分解作用」と「抗酸化作用」が連動して、底質や水質を改善し、生態系を回復します。
乳酸菌・酵母菌などの発酵菌は有機物を発酵分解します(=漬物化)。汚染された水域にEMを投入すると、水中の懸濁物や底質のヘドロをはじめとする有機物が発酵分解され、様々な種類の生物が利用可能な大きさや物質へと変換されます(=有機の可溶化)。
発酵分解された有機物(水中の懸濁物やヘドロ)がさまざまな生物に利用されることから、多様な生態系が構築され、結果として底質・水質が改善されます。
光合成細菌が有機物の分解過程で発生するアンモニア・硫化水素などの有害物質(悪臭原因物質)や代謝物を利用して、物の腐敗・劣化の原因となる「酸化」を防ぐ「抗酸化物質」を生成します。生成された抗酸化物質により環境全体が「酸化」(=腐敗・劣化)を抑制する「抗酸化」の状態になります。
環境全体が「抗酸化」状態になることにより、有機物は腐敗せず生物間で有効利用されます。結果として悪臭の発生が抑えられ、生物の活性も高まり多様な生態系が構築されます。
10Lの種菌EM1号から、約1,000倍のEM活性液を培養し、毎週10トンを河川に投入しています。
EM 技術に関する詳細については「NPO 地球環境・共生ネットワーク(http://www.unet.or.jp/)」までお問い合せください。
1.一次培養EM活性液製造
種菌となるEM1号(10L)、水道水(960L)を、タンク内で38度に加温密閉して培養します。一週間後、一次培養のEM活性液1トン(=1,000L)が完成し、EMを約100倍に培養します。
2.一次培養EM活性液→二次培養液製造
一次培養のEM活性液1トン、EMのエサとなる糖蜜(200L)、河川水(8,800L)を、パイプで連結された1トンタンク10基を用いて、ポンプでゆるやかに循環させます。一次培養と同様に、一週間タンク内で38度に加温密閉して培養し、EMをさらに約10倍にします。
3.EM活性液投入
二次培養した10トンのEM活性液は、投入用ポンプを用いて、約1時間で河川に投入します。